「すぐに避難できる態勢維持を」=北海道・三陸沖後発地震注意報を発表―気象庁と内閣府が会見
最大震度6強を観測した8日深夜の青森県東方沖を震源とする地震を受け、気象庁は9日未明、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を初めて発表した。同庁と内閣府は合同で記者会見を開き、「16日午前0時までの1週間はすぐに避難できる態勢を維持してほしい」と呼び掛けた。 この注意情報は、2022年12月に運用を開始した。世界の地震統計から、震源断層のずれ幅を正確に反映するモーメントマグニチュード(Mw)で7以上の地震が起きてから7日以内に、Mw8級以上の大地震が発生する確率は約1%(100回に1回程度)であることに注目。千島・日本海溝沿いでは平常時にMw8級の地震が起きる確率が約0.1%(1000回に1回程度)で、大地震や津波の可能性が相対的に高まるため、防災行動を促し、被害軽減につなげるのが狙いだ。 甚大な津波被害をもたらした11年3月11日の東日本大震災の本震(Mw9.0、最大震度7)でも、2日前に三陸沖でMw7.3、最大震度5弱の地震が発生していた。 注意情報では事前の避難までは求めず、交通機関の運休や学校の休校なども行わない。社会経済活動を継続しながら、地震発生や津波警報に応じ、速やかに避難できる態勢の維持を求める。 気象庁の原田智史地震火山技術・調査課長は「最悪のケースでは、東日本大震災のような地震が起きると想定している」とした上で、日ごろからの地震への備えを徹底するよう呼び掛けた。 後発地震注意情報は昨年8月に初めて発表された「巨大地震注意」の南海トラフ地震臨時情報に似ている。しかし、同トラフ沿いの東西どちらかでMw8以上の大地震が発生し、もう一方でも続発する可能性が高まったと判断された場合に事前の避難を求める「巨大地震警戒」の仕組みはない。南海トラフ沿いでは1854年の安政東海地震と南海地震、1944年の昭和東南海地震と46年の南海地震という続発例があるが、千島・日本海溝沿いでは確認されていないためだ。 「巨大地震注意」の発表後はSNSなどで偽・誤情報が広まったり、買いだめや買い急ぎが見られたりしたことから、内閣府は控えるよう求めている。 [時事通信社]
