東南アジア、原油調達を多角化=中東依存見直し、日本も支援

2026/05/25 03:55配信【時事通信社】

 【マニラ時事】原油を輸入に頼る東南アジアの国々が、調達先の多角化に乗り出している。ホルムズ海峡の事実上の封鎖をきっかけとしたエネルギー危機を受け、中東への依存度を下げる。日本政府も供給安定化を支援する方針だ。 「ホルムズ海峡を通る石油製品の大部分がアジアに届くという旧来の状態に戻ることはない」。フィリピンのマルコス大統領は18日、マニラでの時事通信などとのインタビューで強調。アジアで原油調達先の多角化が進むとの見通しを示した。 原油輸入の9割超を中東に頼ってきたフィリピンは3月、原油高を受けて「国家エネルギー非常事態」を宣言。ウクライナ侵攻を続けるロシアからの原油輸入に踏み切ったほか、中国とも領有権争いが続く南シナ海での石油・ガス共同開発に前向きな姿勢を示した。 こうした危機感は、東南アジア諸国連合(ASEAN)に共通する。ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、タイやベトナムもロシアのほか、米国、アフリカからの調達拡大を模索している。 今月上旬に比中部セブで開かれたASEAN首脳会議では、原油調達先の多角化や域内のエネルギー貿易促進に取り組む方針を首脳声明に明記。石油・ガスの共同備蓄構想も議論した。 日本政府は、石油化学製品の製造拠点でもある東南アジアのサプライチェーン(供給網)が混乱すれば、日本にも波及する恐れがあると警戒。「アジア各国の供給網を支えることが、そのまま日本経済の強化にもつながる」(高市早苗首相)として、ASEANを支援する。 4月にはアジア各国のエネルギー供給安定化に向けた100億ドル(約1兆6000億円)規模の金融支援枠組み「パワー・アジア」を発表した。第1弾の対象となったベトナムの製油所では、コンゴ共和国産の原油を調達したと伝えられた。 マルコス氏は26~29日の日程で日本を国賓として訪れ、高市首相との会談に臨む。会談では「アジア全体としてどのように結束し、石油製品を安全かつ安定的に供給できるかを協議する」と表明した。 


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